ー冬汰 sideー
水色のラッピング袋に入ったクッキーを食べてみると、程よい甘さで美味しくて…
人から何かを貰うなんて、久しぶり。
楓ぐらいかな…
幼馴染の楓だけ、全て伝えてある。
でも…この場所は知らせてない。
『上手い…』
「あたしは型を抜いただけで…生地は友達が作ってくれたわけで…」
『なら澪春が1から作ったクッキーが食べたい』
「…機会があればね!」
気が強そうなのに、絵になると急に気が弱くなる澪春。
俺が死んだら…澪春は泣くのか?
もう会わない方が、澪春のためかな。
でも、無意識に会う理由を探してて…
澪春に会うまで、今までこんな感情なんてなかった。
なのに…