“俊稀なら”と思って付き合ったあの日。


でも俊稀からしたら、プレッシャーもあったのかもしれない。


自分が冬汰の代わりに…って


それに気付かず、あたしはずっと冬汰冬汰って…

できるだけ冬汰の名前を口にしないようにと頑張ってきたけど、逆にそんなあたしを心配していたのかもしれない。


俊稀の気持ちに…気づいてあげられなかった。



「ごめんね…俊稀」


『澪春は悪くねーよ。
俺がまだまだ、ガキなだけだ』


「俊稀…」


『ごめんな…涙拭ってやれなくて』



ポツリと零した俊稀の言葉。


俊稀はいつも自分のことより、あたしのことを第一に考えてくれていた。