「お前さ、ちゃんと話聞いてなかったろ?」 「……?」 「あーもー!だ、か、ら!こういうこと!」 ぎゅ。 突然距離が近くなったと思ったら、次の瞬間すっぽりと理貴の腕の中に私は収まっていて。 「な、に?」 「…気付けよ、あほ」 ぎゅう。 頬が理貴の胸に沈む。 とくんとくんと早鐘のように鳴っている、理貴の鼓動。 それに呼応するように高鳴る私の胸の音。 リンクして、シンクロして、まるで1つになるような…。