「はい、綿あめ1個、おまちどー!」


「ありがとうございます」


袋に入った綿あめを持って、私は人混みの中を歩いて行く。


私、渡良瀬舞子(わたらせまいこ)はこの日、
1人で夏祭りに来ていた。


愛生、悠久先輩と上手くやれてるかな……。


家を出てくる時に別れた愛生のことを思い出す。