俺は電話に出る前に感じた嫌な予感が当たったことに、心の中でため息をつく。
『お兄ちゃん?いいでしょ?』
「あぁ……、分かった。行くから待ってろ」
『やった!早く来てね!』
それだけ言ってブチッと切れた電話に、俺はもう1つため息をついてから、勢いよくみんなの方を振り向いた。
「わりぃ、急に呼び出しが入った!
俺は出来ないけど、悠久、女子をしっかり送るんだぞ!
じゃーな!!」
俺はそれだけ言うと、目を見開いたままの渡良瀬ちゃんを見ないで、そこから走り去って行ったのだった────。
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