初めて会ったのは、友達を通じてだった。 親友の椎名愛生(しいなあおい)がずっと好きだった1つ上の、橘悠久(たちばなはるひさ)先輩。 その悠久先輩の隣にいたのが、彼だった。 顔を合わせた瞬間に自分の中で、 この人はキケン。 そんな考えがよぎった。 もしかしたら、人間の本能的な部分で感じ取ったのかもしれない。 だから私は、一定の距離を保っていた。