男達はスルーされたのが気に食わなかったのか、俄然喋り始めた。




「彼女、ルカちゃんって言うんだ。
友達も可愛いけど、ルカちゃんはキレー系つか美人さんだよねー。」




金髪の方が馴れ馴れしく話しかけてきた。




「俺はお友達のがタイプ。名前なんての?」



茶髪の方も馴れ馴れしい。



「俺はルカちゃんタイプだわ」




勝手な事をしゃべってる。誰もあんた達のタイプなんて聞いてないし。
バカみたい。ってかバカだ。




確かに夕湖は学校のアイドル的存在で。
元々色素が薄いらしく、髪もクリクリした目も栗色で。
肩までの髪は女の子らしく、いつでも綺麗に巻かれてる。
少しおっとりした性格で誰からでも好かれるような子。
いつもその女の子らしい顔には笑みが絶えなくて、まるで綿菓子みたいな子なんだ。




反対にあたしは“冷たそう”とか“怖そう”てよく言われる。
切れ長の目に薄い唇。
肩甲骨辺りまである、少しマット系に染めた髪。
可愛いなんて言葉が似合わないのも自覚してる。
夕湖のようにほんわかした雰囲気なんてない。
夕湖曰く「クールビューティー」なんだそうだ。




そのせいか何度か同じようなことがあった。
だから、この手合いは無視してるのがいちばん。


そう今までの経験で学んだ。今回もその経験を生かした。