「雪兎、座れ」
「直矢。次の診察、いつだったっけ?」
「調子悪いのか?」
「…なんか、目の前が真っ暗になったから。偶然なら、別にいいんだけど」
2週間後と言いながら、掃除機のスイッチを入れる。
掃除機の音で驚いたのか、ルトが足元で縮こまリに来た。その背を撫でながら、息をついた。
「あまりにも、頻発するなら通院を早める。動けなくなりそうなら、すぐに呼べ。いいな」
「うん。分かってる」
「早く食べて寝ろ。明日も早いんだろ」
ポンポンと頭を撫でられて、直矢は店に戻っていく。
掃除機の驚異がなくなったルトは、エサを食べに行く。
うんと背伸びをして、電子レンジが温めてくれたご飯を食べる。
風呂に入って布団に入ると、あっという間に眠りに入った。