「ただいま、ルト」

「ナァァア」

あくびみたいな返事をして、ルトは自分のエサを食べに行く。

オレも食べなきゃ。机の上に用意された食事を電子レンジに入れて、コップに手を伸ばした。

「ッ…」

目の前が真っ黒になって、気づいたときにはコップが床に落ちて割れてしまっていた。

って、いけね。ルトが踏まないうちに片さなきゃ。

「雪兎?でかい破片だけ拾っとけ。手気をつけろよ」

慌てたように階段を駆け上がってきた直矢が、少しだけホッとしたように息をつく。

そのまま掃除機を取りに行ってくれた背中を見送って、割れたコップの破片を拾う。

…今、短時間だけど多分気を失った。

診察、いつだったっけ…。