とはいえ、動いてもらわないと学校も閉まる。

何とか着替えも終えて、帰路につく。同じ方向に帰る彰矢が、無言で歩くあたり本当にしんどいらしい…。

「彰矢、めまいとかしてないだろな…?」

「あー、うん。それは大丈夫。ただ、めちゃくちゃ眠くって…」

「よく寝れるよ。保証する」

電車の中で寝過ごさなきゃいいけど。

駅のロータリーで別れ、家につくと店の開店時間を過ぎていた。

「おかえり、ゆき。遅かったね」

「ただいま。練習メニュー変えたから、ギリギリになっちゃった」

「ご飯用意してあるから食べてきな。ゆきも、しっかり休んで」

青葉に頭を撫でられ、2階に上がる。リビングのいすで待っていてくれたらしいルトが、のっそのそ動いて出迎えてくれた。