本気、なら切り替えさせなきゃ無理だ。

絵空事のように全国を語るならそれでいいけど、本気なら話は違う。

「オレは、2年後の全国は本気で言ってる。そのためにどうするか、ずっと考えてきた。…もちろん、そんなつもりじゃなかったなら、今まで通りにするけど、どうします?」

ある意味、挑発だ。

そして、この挑発に狼狽えるような奴は、誰一人としていなかった。

「やるに決まってるだろ」

「そこまで言うってなら、お前についてけばそれだけの実力がつくと思っていいんだよな?監督」

不敵な笑みを浮かべる選手たち。

その笑みに、少しだけホッとしたのを隠して、人差し指を立てて腕を上げる。

「夢は日本一、そうだろ!!」

「「おぉ!!!!」」

選手たちも、同じように腕を上げる。

思わず吹き出すと、空気が緩んだのを感じた。