「今、金曜日の話してたの、ケーキ屋のね」
「ああ、あの時の」
思い出すように涼は言った。
「2人とも、私の好きな人のことも知ってる」
「私たちなんですよ、弟と2人で行けば話しやすいんじゃないかって提案したの、もし迷惑かけていたらすみません」
亜紀は、頭をぺこっと下げた。
櫻子もつられて頭を下げる。
「いや、あそこには一度行こうと思ってたので、逆によかったです」
涼も亜紀も、聞きなれない敬語で話しいるせいで、なんとなくその場に流れる空気に違和感を覚える。
その空気を壊すように、柑菜は「ねえ、みんな同い年なんだからタメ語でいいんじゃない」と言った。