恋する乙女がこんなとこで黙って待ってるだけじゃダメよね!
後悔するなら、やっぱりやってからにしなきゃ。
……よしっ。
どこにいるかなんて検討もつかない。
だけど、どうしても、今すぐに駆け出さずにはいられなかった。
……怜佑。
怜佑……っ!
辺りを見回しながら廊下を走る。
必死に足を動かして渡り廊下も捜してみたけれど、どうやら1階にはいないみたいだった。
次は2階だ。
あたしは躊躇うことなく何段も続くそれを駆け上がる。
足を止めてる暇なんてない。
今はたったの1秒でさえも失うのが惜しいから。
「はぁ……はぁ……」
どこ……?
どこにいるの、怜佑……!
走っても走っても見えないその姿に、段々と焦りが積もってくる。