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「寒っ」


あれから何分経ったんだろう。

一人昇降口にやって来たあたし。


手袋を脱ぎ、かじかんだ指先にカイロを当てた。


ここにいたら嫌でも会うだろうって思って、待ってたんだけどなぁ。

怜佑のヤツ、全然来ないじゃん……。


……二人は、どうなったんだろ。

美保ちゃん、もう怜佑に告白したのかなぁ。

きっともうしてる……よね。


もし……。

もし美保ちゃんの告白が上手くいって、今頃二人が甘い時間を過ごしてたら……?


あーーやだ、そんなの考えたくない〜〜〜!


あたしはムシャクシャした気持ちを隠すように、抱えた膝に顔を埋めた。