──あたしと怜佑の、恒例行事。


別に、あたしだってケンカしたくてしてるわけじゃない。

でも、気づけばいつもそうなってる、というか。

そうなってしまう……というか。


とにかく、怜佑相手だとどうもうまくいかないんだ。


それでも、今日こそは大丈夫かも!

なんて途中までは思ってたんだけど。

残念、期待外れ。


結局またこのパターン、か。



「ったく、よくもまあ連日飽き足らずにケンカできるよな、お前ら」


ムカッ。


「「ナツは黙ってて(お前は黙っとけ)!」」

「ひぃ!?」


見事にシンクロしたあたしと怜佑のツッコミに貧相な叫び声が飛んだ。

そんなあたしたちの睨みが相当怖かったのだろうか。


「ご……ごめんなさい! じゃあ、俺はここで……」


なんて声を震わせながら、ナツは逃げるようにこの場から去っていった。