「ごめん、ナツ。なんか怜佑、あたしに怒ってるみたいで……」


巻き込んじゃったみたいで申し訳ない。

そう思って、しゅんとまつ毛を伏せたその時──。


「梓ちゃん!」

「えっ!?」

「吉野くんちょっとごめんね」


突然あたしの手を取り叫んだなずなに、目を見張る。


「梓ちゃん、こっち来て」

「う、うん……」


あたしは促されるまま、なずなの後を着いていった。