「落合くん、チョコレート受け取ってくださいっ」

「私も〜!」


……やっぱり。


さっすが落合くん。

学年一のモテ男なだけはあるわね。


すぐに聞こえてきた声に、思わず関心する。


集団の中心にいる〝落合くん〟は、バスケ部所属の爽やかイケメンくんだ。

少女漫画のいわゆる王子系ヒーローで、白い髪の方って言ったらわかりやすいかな。

……で、性格も超スマート。

なのに未だにフリーってこともあって、女の子たちから狙われてるんだろう。


……にしても。


「すごいね、怜す──」


あれ?

せっかく共感を求めようと思ったのに、さっきまであたしの後ろにいたはずのその姿が見当たらない。


「ちょっと、怜佑ぇ?」


キョロキョロと辺りを見回す。

もう、どこに行ったの──。