「……まあいいけど。今日は邪魔して悪かったな」
「え?」
「せっかく一ノ瀬と遊んどったのに、俺らのせいでこんなことなったわけやし……って、なんやその変な目は」
いやぁ、だってね。
「怜佑、謝るんだってびっくりして」
「人を血も涙もない悪魔とでも勘違いしとんか」
拗ねたような怜佑にごめんごめんと手を合わせながら、頭の隅であることを思いつく。
「……許してあげるけどその代わり、これからテスト勉強に付き合ってくれる?」
許すもなにももう怒ってなんかないけど。
ほんの少し、王子の真似をしてみたくなったんだ。
……我ながら名案でしょ?
ふふんと満足気に微笑んだら、すぐに目の前の口角が上がった。