「今回一番英語が不安なんだよね。憐くん貸してほしいくらいだよ」


──ガチャッ!


「熱っ」

「わ、バカ!」


…………ん?


気のせい?

さっきなーんか、妙に聞き覚えのある声が聞こえた気がしたんですけど……?


そう思いなずなの方を見ると、あたしと同じことを考えているのが口にしなくてもわかった。


「もしもーし」

「「っ!」」


やっぱり。


「あ、梓!?」


歩いていってすぐ、あたしたちの斜め向こうの席に座っていた彼らを見つけてしまった。

どうやら怜佑のやつがコーヒーを零したみたいで、それを必死になって拭っているところだった。