「あたし、喋ってた!?」


気づいた瞬間に、思わず絶叫。


「おまけに、ジェスチャー付きでな」

「うそぉ!」

「ほんま」


いやぁーー!


「ってか、今頃気づいたんかい」


無言のまま頭を抱えたあたしに、怜佑は眉を寄せる。


一人で喋って。

一人で動いて、って。


うわぁ、めちゃくちゃ恥ずかしいヤツじゃん、あたし……。


はっ!


「ちなみに、内容は聞こえてたり……」

「おう、大丈夫や」


よかっ──。


「バッチリこの耳で聞いてやったから!」

「えぇ!?」


や、やばーーー!

どどどどうしよ……。


「……ってな。嘘や嘘」


ニカッと笑った怜佑。

ちょっ、嘘って……。


「怜佑ぇ!」


あたしは、拳を震わせる。


騙すなんてひどい!

思いながら、キッと睨みつけていると。


──フッ。


「なんや、いつも通りやん」


目の前の表情が、その時どういうわけか僅かに緩んだ。