「お疲れさまです。アシスト、すごかったです!」

「ほんま?」


ちょっ……。

何あの嬉しそうな顔ーーっ!



アシスト──。

あの憐くんのゴールは、怜佑の適確なパスから生まれたモノだった。

テクニカルなボールさばきは、見ている誰もが〝すごい〟と思っただろう。


もちろんあたしもその1人で。

怜佑超かっこいい〜っ! だなんて、身悶えちゃったくらい。


でも……。


あの怜佑のデレデレした態度。

なんか、妙にムカつくんですけど!



「あ、松下先輩、柳田くんっ」


その時、まだタオルを手にしていない二人に気づいたらしい美保ちゃんが、名前を呼びながら向こうへ走っていった。

にも関わらず。

怜佑のヤツときたら……。


──ギリッ。


いつまでニヤけてんのよォ……!!



「梓ー、梓さーん?」

「何っ!?」


バッと声の方に振り向く。

すると、困った顔……というか、ちょっとひいたような顔をしたナツが視界に入って。


「それ、俺の服なんすけど……」


服……?

咄嗟に手元に目線をやる。

そこには、いつの間にか絞った雑巾みたいになったそれがあった。