「みんなお疲れさまー」
試合終了と同時に、本日の部活も終了。
というわけで、あたしはなずなと一緒にドリンクの入った籠を運んでいく。
よっぽど喉が渇いていたのか、みんなわっと集まってきた。
冬なのに、全員汗ダクで。
地面に脱ぎ捨てられた服を拾いながら、よく頑張るなー、なんて感心していたところ。
「滝川先輩っ」
ん?
耳に入ってきたそれに、まるで自分が呼ばれたみたいに反応してしまった。
「これ、使ってください」
かわいい声がふわりと舞う。
ドクンッ。
目にしたのは、マネージャーの後輩──音無美保ちゃんが、そう言って怜佑に白いタオルを差し出す場面だった。