中にはちょっと変わった顔したくまのぬいぐるみが入ってる。

なんか、この前出かけた時たまたま入った店で欲しいーって言っとった気がするし?

プレゼントとかよくわからんけど、まあ……人としてお返しはせなあかんからな。


「ねぇ、開けていい?」

「おう」


とは言ったけど、こういう時間ってやっぱりちょっと苦手や。

どこ見ていいかわからんくて家の塀を見とったら。


「あーーこれ!」


耳を突き抜けた声。

驚いた俺は、気づけばそっちへ振り向いてた。


「あたしが欲しかったやつだ…… 怜佑ありがとう!」

「……どういたしまして」


目をキラキラさせながらぎゅうっと大事そうにそれを抱きしめる梓を見て、正直ホッとする。

こいつが顔に出やすいタイプでよかったわ。