「今日は何の日でしょー?」
ほら、きた。
確証をもてたところで、自信満々に答える。
「ホワイトデーやろ?」
「残念!」
「はあ?」
なんでやねん。あってるやろ!
「ホワイトデーもあるけど……1ヶ月記念日でした」
パチパチパチ。
拍手が聞こえると共に、はぁ、とため息が零れた。
「なんや、それかぁ……」
「ちょっ、それかってなによ。大事なことでしょ?」
「や、ちゃうねん」
大事やと思ってないわけちゃうくて、なんか他にあるんかって思っただけで。
……あかんな、言い訳しても意味ないわ。
「はい」
「え?」
「いらんの?」
紙袋を差し出すと、梓は絵に書いたように目を丸くした。
「いる!」