流鬼は思い出したかのように

自分の頬に手を当て


「傷を治すこともできるんだな」


やっぱり私の能力を知ってる


出会ったのも

拉致されたのも偶然とか

暇つぶしとかではないのか


面白くないな


乾いた笑みがこぼれる


この笑みがばれないように下を向くと


「ありがとう」


ありがとうだなんてバカだね