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放課後、三者面談を控えた架里奈とわたしは空き教室で時間を潰すことに。

教室は面談で使用されるし図書室は私語厳禁だから、適当に誰もいない講義室にやってきたというわけだ。


「日曜日、面白いことになりそうだねー」

「え?」

「遊園地だよ」

「あ、うん。楽しみ!」


上機嫌な架里奈に対し、このあとの面談のことで頭がいっぱいなわたし。

今だけは他のことを考える余裕がないのだけれど、容赦なく架里奈は話を続けた。


「思った通り、航太すごい食いついてきたしね」

「えっ……思った通り?」

「うん。絶対行きたがると思った」

「そうなんだ……? それじゃあ、最初に誘ってあげればよかったのに」

「ダメダメ。それじゃ、意味ない」

「?」

「雅くんが来なきゃ始まらないから」


架里奈の言っていることの意味がわからない。


「さーて。どうなるやら」


なにか企んでる……?


「どっちに揺れるかな」