「どうしようかな。Wデートだしなぁ」


参加したがる航太くんに対し、イエスと言わない架里奈。

なんだか航太くんの反応を楽しんでいるようにも見える……。


「デートっていっても、一組兄妹だろ？」


チラッと航太くんがわたしを見る。

おっしゃる通り。架里奈が面白おかしくそう言っているだけだ。


「なのにデートって表現おかしくないか」

「細かいことは気にしない気にしなーい」

「俺も女の子誘うからトリプルデートな？」


男女三組の計六人になるってことか。すごくワイワイしそうな予感。


「誰か呼ぶの？」

「あてならある」

「ふぅん。まあ、田村なら一人や二人女の子連れてくるくらい余裕か」


「おはよー」


チャイムが校舎に鳴り響くと同時に伊勢谷先生が教室に入ってくる。