智紀side
俺の大好きな人。
そんな人を俺は悲しませてしまった。
知咲の悲しい顔なんて見たくないのに、俺は最低な奴だな。
知咲と過ごす日々は楽しくて、毎日があっという間に過ぎていた。
なのに今は、知咲の隣にいるのが辛くなる。
無理して笑っている知咲を見ると、俺も辛くなる。
俺に起こっている事なのに、自分の事のように悲しむ知咲を本当は見たくない。
本当は知咲と別れる選択肢もあった。
だけど、早期発見できた事で俺は充分生きれる可能性がある。
病気のことを知らされた時、1番に思い浮かんだのは知咲だった。
知咲の悲しそうな顔。きっと、俺がこの話をしたら知咲は泣いてしまうんだろうなって。
そんな知咲をひとりには出来ない。
病気を治して、ずっとそばにいたいと思った。