自分は強い人間だ。そう思って今日まで生きてきた。
 

悲しい出来事が起きても動揺なんてしたことがなかった。


「そういうこともある」と、いつも受け入れて、ちゃんと前へ進んでこれた。




だけど、あの日。




足元が崩れてゆくような感覚を生まれて初めて感じた。




描いていた世界は一瞬で色を失くし、音も遠くへ去って行った。