そして、私の作った朝食を向かい合って食べた。

久しぶりのひとりじゃないご飯は
とても温かく、美味しく思えた。



「それじゃあ」

「いってらっしゃい」



そう言って彼を送り出した。

それはまるで夫婦のようで
込み上げてくるものを抑えるのに必死だった。
それは彼には絶対に言えない唯一の秘密のひとつだ。



「菜月」



彼はそれ以来名前で呼んでくれるようになった。

彼に聞けば責めてもの償いらしい。
愛を知らない私に暖かい居場所を作ることが
私への償いだとそう彼は言っていた。



「ごめん、菜月…」



そして、私が密かに望んでいた日は
それからそう遠くない内に訪れた。