間違った……
「え?ちょっ……」
突然景色が反転して、背中が柔らかいものに包まれた。
それがベッドだと理解する前に
「んー、んー!」
いきなり、噛み付くようなキスをしてきた。
「ん……っ……ふ……うっ……ゃだぁ……」
色んなことがめちゃくちゃになって、涙が出てきた。
「ごめん。でも、まきが悪いからね。」
結人が、怒ってる……?
私の上にいる結人は、いつもの緩い雰囲気の結人ではない。
「な、なんで怒るの?」
「なっ?!なんでって、そりゃ!!」
結人が大声を出す。
「ごめん。でも!まきが別れたいなんて言うからだろ?!」
まるで、予期していないかのような反応。
もしかして、女の方から別れを切り出すなんてって思っているんだろうか……?
「え、じゃあなに?好きなやつでもできたの?」
結人の目が一瞬光った気がした。
「ううん、なわけないよ。」
そんなわけない、そんな訳ないんだけど……