「ごめん。まき、急に仕事長引いて今夜の約束無理そう。」





そう電話が来たのは、お昼過ぎ。



がっかりしたけど、これが初めてじゃなくて、もう数えきれないくらいだったから

”またか”くらいにしか思ってなくて。



暇になったから、DVDでも借りようかなって思って

部屋着から、少しましなデニムに白いTシャツ着て、財布片手に家を出た。


彼__結人(ユイト)の忙しさは、理解しているつもりだった。

大学生時代に、お付き合いを始めたころとは違って、責任感も求められることも全く別物。



しかも結人は大手の企業へ就職した。

わかってるつもりでいた。









けど、それは、ダメなんじゃないかな、結人。