「…実は私の幼い頃に、
両親は他界したんです…。
だから物心ついた時から施設にいました。」
「あ…そうだったのか。
辛い事聞いちまったか?」
「あ、いえ!施設の先生も良くしてくれましたし、リョウ兄がそばにいてくれたから、
寂しくはなかったです。」
なんて。
本当はリョウ兄が居なくなってから、
寂しくてよく一人で泣いてたけどね……。
「リョウ兄…?」
私の言葉を聞いて呟いたのは
智悠さんだった。
「はい。リョウ兄は私が9歳の時に里親に
引き取られて行ってしまいましたけどね。
またいつか…会えたらいいなって思います。
って…ごめんなさい、暗い話になりましたねっ。」
「しおりん、いい子いい子〜。」
琉海君が頭を撫でてくれる。
「ふふ、ありがとね、琉海君。」