「ごめん!勝手に立ち聞きして……」

「別に立ち聞きされて困るような内容じゃなかったから。むしろアイツらの方がゴメンな?」


そう言って謝ってきた。


「ううん。ああいうこと、言われ慣れてるしっ」

「さっき言ったこと、本当だから」

「え?」

「“目に見えてないだけで彼女にだって女の子らしい一面はちゃんとあると思うよ”ってやつ。そういうところは誰にだってあるんだし、もちろん高城さんだってそうだろ?」


本人を目の前にしても、サラッとそんなことを言いのける彼に、逆に恥ずかしくなってきた。


「し、知らないよそんなこと!私は用があるからこれで!じゃあね!」


逃げるように彼の横を通り過ぎると、近くの女子トイレに駆け込んだ。


やだやだ、何コレっ。

心臓がすっごいバクバク鳴ってるんだけど!