「んなことの為にワザワザ俺を追いかけてくるなんて、ほんっとお前って……」

「何よ?!文句でもあんの?!」

「いや?その逆だよ、逆」

「ひゃっ!」


突然視界が揺れ、身体はそのままベッドに倒れた。


――いや、押し倒されたのだ。


目に映る天井と隆臣の顔。


「何すんのっ」


もがいて暴れるがそんなのは無駄なことだった。

隆臣の力に、女の私なんかが到底敵うはずなどない。



“学習しなよ”

誕生日の日に篠宮くんから言われたその言葉が、フッと頭を過ぎった。


「千咲、可愛すぎ」

「か……可愛いってそんなこと、誰にでも言ってるくせに!」

「んなのは過去の話だろうがよ。今はお前以外可愛いなんて言わねーよ」


“お前以外”――…