――昼休み


いつもなら教室でお昼を取るあたし達だったが、今日は気分転換に屋上で食べることにした。

親に作ってもらったお弁当を抱えて屋上に向かうと、既に先約。


「あれってF組の生徒じゃん」

「えっ」


……ってことは――…


そっと水道タンクを盾にして顔を覗かせると、輪になって集まるその中には、やっぱり隆臣の姿もあった。


「ねえ、やっぱり教室で食べよ?」

とその場から立ち去ろうとした時。


「隆臣、今朝大胆告白したんだって?」


一人の男子がパンを頬張りながらそう訊ねる。


「ああ、千咲のことか?」

「何あんた。柳先輩に“千咲”なんて呼ばれてんの?」

「アイツが勝手にそう呼んでんの」


彼らの話を盗み聞きしながら里乃がニヤニヤする。