「千咲、朝っぱらから一体何叫んでたのよ」


教室に入ると、いつものように里乃がやってくる。


「何って別に何も、」

「ないわけないじゃん。いいから白状しろ~」


そう詰め寄られ小さく息を吐く。


「……告られたんだよ、例の転校生に」


仕方なく白状すると、里乃は目を丸くした。


「は?」


……ほらね。

そういう反応するの分かってたから言わなかったのに。


「告られたってどういうこと?何でいきなりそんなことになってんの?えっ意味分かんない!」

「私だって意味が分からないし。どうせ遊ばれて捨てられるのがオチ。もっと真面目な人から告られたら、ちゃんと考えたけど」


隆臣のことなんか、信じられるわけない。

何をどうすれば、信じられるのか教えてほしいぐらいだ。