「なっ……どうせそんなこと言って、人の反応面白がってるだけじゃないの！？」


“何マジになってんの？冗談だよ、バーカ”

そんな風に言われるんじゃないかと疑った。


……なのに。


「俺がこんなんだから、冗談言ってるようにしか思われねーんだろうな。けどよ、俺マジで言ってんだけど」


そう言った隆臣の真顔は、演技じゃない“本物”だった。


「何……で？」


何で私なの？

性格はともかくとして、隆臣ぐらいのレベルの男だったら女が放っておかないでしょう？


「何でって理由なんか必要か？千咲がいい、ただそれだけだ」

「……っ」


何度か告白された経験はあるけど、こんな告白は生まれて初めてだ。


「知り合ったばかりなのに、そんなこと言われても困る」


相手は隆臣なのに……女慣れしてる性悪男なのに……、

こんなにもドキドキさせられている自分がとても悔しい。