「馬鹿だから、教えるのも一苦労だと思うんだ」

「人に教えんの慣れてるから大丈夫だよ。で?どうする?」


私はしばらく考え、


「……じゃあ、お願いします」


赤点を免れるのならばと、彼の提案を受け入れた。


「じゃあ、早速今日の放課後から図書室で勉強ね」

「今日から?!」

「こういう大事なことは早い方がいいんだよ。高城さんみたいなタイプの人は特にね。あ、言っておくけど俺、結構スパルタだから容赦しないよ?」


そうニッコリ微笑む。


容赦しないって……

怖いよ、その何か企んだような顔がさ!


「わ、分かってるわよ!スパルタだろうが何だろうが、ハッピーサマーの為に、最後までやるわよ!」

「ふうん?そこまで言うなら、途中で逃げ出すのはナシね? ……ってことで宜しく」


篠宮くんは私の肩を叩いて、先を急いで行った。