「もしかして犬飼ってんの?触っていい?」

「いいけどポチャは知らない人に対して、最初は警戒心剥き出しにするから気を付けて」

「平気平気。俺、犬慣らすの得意なんだ」


ポチャの前に座り込み、そっと手を伸ばすとポチャは大人しくそれを受け入れたのだ。


「え、マジ?枢でさえも懐くまでに超時間かかったのに!」


ポチャは警戒するどころか、むしろ気持ち良さそうに体を伸ばしている。


「犬にも分かるんだろうなー、俺の人間性が。動物にも人間にも超優しいからね」

「勝手に言ってれば?」


呆れて溜息を漏らす。


何か、段々篠宮くんの性格が分かってきた気がするなあ……


「チィ、俺そろそろ行くな!今日学校終わったら遊び行くから鍵開けといて」


枢がそう言って門を出る。


「うん、分かった。いってらっしゃい!」


手を振りながら枢を見送っていると


「……誰?」


篠宮くんがそう聞いてきた。