「篠宮くん」


急いで彼を呼び止める。


「高城さん、珍しいね」

「篠宮くんにこれ渡そうと思って、わざわざ早起きして待ってたのよ」


ポケットから取り出した例のストラップをチラつかせると、篠宮くんが“あ”と声をあげた。


「学校だとみんないるから渡せないし……」

「ありがとう」


篠宮くんは受け取ったストラップを早速スマホに取りつけた。


「意外と携帯に合ってんじゃん?」


自分とお揃いってところがちょっと気にくわないけど、まあいいか……。


「チィ、全部取れた?」

「あ、うん大丈夫だよ」


そう答えると、篠宮くんがひょこっと顔を覗かせた。