「私のこと知ってんの?」

「ああ、知ってるぜ?だってお前、俺の学校でも超有名だったからな」


“よっ”と階段を下りて近づいてくる。


「俺は今日から2Fに編入してきた柳隆臣(ヤナギ タカオミ)だ」


そう言ってフッと笑うと、私の頭に手を乗せて顔を近づけて来た。


ちょっ……!?

今にもキスされそうな距離まで近づいてきた顔。


「――…っ」


すぐさま鈍い音が響く。

言葉より先に手が出たのだ。


「いってぇ……何しやがる!」


眉間にしわを寄せ、不機嫌な顔の柳隆臣。


「はぁ?それはこっちのセリフだって!」


どさくさに紛れて、何しようとしてんだ、コイツは!


「キスしようとしただけ。わかんねーの?」

と平然の顔でサラッと言う。


「最低!」


信じらんない!

盛りのついた犬じゃん!