「話あるんだけどいい?」


2時限目の休み時間。

クラスにひとりの女子がやって来た。

さっき、私に突っかかってきた女だ。


「何?」

「こっち」


言われるがまま人気のない体育館裏の中庭へ。


「アンタ、一体どういうつもり?」

「どういうつもりって?」

「環のことよ! ……男と別れた翌日にもう環に乗り換えたっていうの?!」


キーン、と耳に響く彼女の声。

思わず耳を塞ぎたくなった。


「別にどういうつもりもないよ。少なくともあなたが考えているようなことはこれっぽっちもない。つーかあり得ない」


その言葉を聞いた彼女が眉を顰める。


「それは本当なのね?」

と疑いの目を向ける。