「……何なんだよ、もう」
篠宮くんが出て行ってからすぐ、自分も教室までトボトボと歩きながら戻ってきた。
「ちゃんと言えた?」
戻って来るのをスタンバイしていた里乃が聞いてくる。
「言ったよ」
「よく篠宮くんを捕まえられたね。どうやって周りの女どもを脅したのよ?」
「脅すって何それ。ちょっとムカついたことあったけど、クラスメイトが呼んでくれたの」
「ふうん……で?向こうの反応は?」
「“意外だな”って」
「それだけ?」
「……それだけだけど、何を期待してんの?」
「教室から篠宮くんを連れて出て来たと思ったら、いきなり空き教室に二人で入っていくから何事かと思ったよ。二人っきりで何もなかったの?」
「……何もあるわけないじゃん」
一瞬ドキッとしたが、冷静を保ったまま答える。
「うちらの間に恋なんか生まれるわけないじゃん」
「そりゃ、そうだ。千咲と篠宮くんは性格のタイプが正反対だもんねー」
ハハッと笑って私の肩を叩く里乃。
“そりゃ、そうだ”って……
まあ、返事は何となく分かっていたけどさ……。
篠宮くんが出て行ってからすぐ、自分も教室までトボトボと歩きながら戻ってきた。
「ちゃんと言えた?」
戻って来るのをスタンバイしていた里乃が聞いてくる。
「言ったよ」
「よく篠宮くんを捕まえられたね。どうやって周りの女どもを脅したのよ?」
「脅すって何それ。ちょっとムカついたことあったけど、クラスメイトが呼んでくれたの」
「ふうん……で?向こうの反応は?」
「“意外だな”って」
「それだけ?」
「……それだけだけど、何を期待してんの?」
「教室から篠宮くんを連れて出て来たと思ったら、いきなり空き教室に二人で入っていくから何事かと思ったよ。二人っきりで何もなかったの?」
「……何もあるわけないじゃん」
一瞬ドキッとしたが、冷静を保ったまま答える。
「うちらの間に恋なんか生まれるわけないじゃん」
「そりゃ、そうだ。千咲と篠宮くんは性格のタイプが正反対だもんねー」
ハハッと笑って私の肩を叩く里乃。
“そりゃ、そうだ”って……
まあ、返事は何となく分かっていたけどさ……。