「私は子供かっ!」

とその手を振り退ける。


「淋しかったらいつでも俺が相手になるけど?」

「ハイハイ、ご遠慮しときます」


家の門を開けると、庭に置かれた犬小屋に向かう。


「この俺が彼氏になってやるって言ってんのに、サラッと流すなや」

「だからいいってば、別に。枢はナイスバディなお姉さまと仲良く戯れていればよろしい」

とニッコリ笑い、飼い犬のポチャの前に座り込んだ。


「戯れって……お前まさか見てたのか?!」


ハッとしたかのように声を荒げる枢。


「見たくて見たわけじゃないし。そんなに見られたくなかったら、家の前の白昼堂々とイチャイチャしないでもらえる?少しは場所をわきまえろっての……」

「アレは向こうが一方的に言い寄ってきてるだけだからな!勘違いすんなよ!」

「だからどうでもいいってば」


人の恋愛になんて興味ない。


「じゃあね、枢」


ポチャの頭を軽く撫でて立ち上がると家の中に入った。