「意味分かんない」


顔が赤くなっていることがバレないように、彼の前を歩く。


「もしかして照れてる?」

「照れてない、阿保!」


私のことを“信じたい”なんて、そういう風に言ってくれた奴なんか今までいなかったのに、コイツと一緒にいると調子狂わされる……。


「高城さん、家どっち?」


公園の入口付近で一度立ち止まり、私の家の方向を確認する篠宮くん。


「左だけど」

「せっかくだから家まで送る」


そう言って歩き始めた篠宮くん。


「いいよ、そんなの!子供じゃないんだし一人で帰れるって!」

「またさっきみたいに男に絡まれたらどうすんの」

「マジでいいし!」

と断ると、逆に“何で?”と言い返されてしまった。