「確信はないけど今度はきっとだ――…」

「絶対傷つけないから」


“大丈夫”と言おうとした時、背後から聞こえてきた足音に振り返る。


「環!」


話を聞いていたのか、環はタイミングよく現れて、ゆっくりと隣りにやってきた。


「本当に絶対だろうな?」

「ああ、絶対に傷つけることはしない。こう見えても俺、結構一途なんで」


聞き返してきた枢に向かって環はニコッと微笑み、そう断言した。


「アンタがそこまで言うなら心配しなくて良さそうだな」


枢は安心した様子で私を見ると、


「チィ、良かったな」


軽く頭を叩くと、そのままポチャを連れて離れていった。


「神社で待ち合わせだったのに家で会うなんて、待ち合わせの意味がなかったね」

「もう少し早く家出るつもりだったんだけど、ちょっとバタバタしたから」

「“偶然”気取るとか、兄貴も案外可愛いとこあんじゃん?」

「――あ、唯くん」


可笑しげに笑いながら、唯くんも現れる。