「テスト返すから順番に取りに来い」


“全教科70点以上”はすぐそこまで来ていた。


「次、高城」


緊張で唾を飲み込む。


「高城、今回はどうしたんだ?」

と先生は言葉を付けて、答案用紙を返却。


「他の教科の先生も、今回のお前の頑張りには感心していたよ。やれば出来るじゃないか」

「どうもです」


ははは、と声をあげて笑う先生に背を向け、答案用紙を見つめながら自分の席へと戻った。


「千咲、やったじゃん!赤点ゼロなんて初めてだね」

「うん」


全部の答案用紙が揃い、一気に肩から力が抜けていった――…