「なーんてねっ!」


――え?


ハルちゃんの拍子抜けた言葉に、空気が一瞬にして変わる。


「本気にした?好きだなんて嘘だよ」


悪戯が成功した子供のように、ハルちゃんがニヤリと笑った。


「う、そ?」

「チィちゃんがどんな反応するかちょっと興味があって意地悪しちゃった」


その瞬間、膝がガクンと抜けた。

何だ……嘘か……。


「環のことは大好きだけどそれは幼なじみとして。それは環も同じだよ」

「篠宮くんも?」

「私達、小さい頃からずっとお互いのことを特別な目で見たことなんて無いから。 ……それに、環がずっと見てたのはチィちゃんだけだよ」


えっ……私?


「環はチィちゃんが居なくなってから、ずっとペンダントを見つめては遠くの空を眺めてた」


――ロケットペンダントのことだ。


「ハルちゃん、あのペンダントって……」


どうしても思い出せないあたしは、ハルちゃんに確かめる。