「よしっ、テスト終了~!」


2日目、3日目と続いた期末試験はあっという間に終わり、生徒達は皆嬉しそうに笑う。

里乃もまた、伸びをしながら嬉しそうだった。


その隣りで一人、浮かない顔をする私。


「ちょっと何暗い顔してんの?」


……終わった……。


絶対に70点以上とか無理だっ!

最後の科目だった数学が全然解けなかったことに、これ以上にない程落胆する。


ヤマをかけた問題が見事にハズレ、自分が一番苦手とする文章問題と図形問題に引っかかったのだ。


「はあ……」


計算問題は篠宮くんのスパルタ教育のお陰で、スラスラと解けたのになあ。


「もう済んだことは気にしない!取りあえず赤点だけは逃れられればいいじゃん」


“ねっ?”と私の肩を叩きながら、落ち込む私を何とか励まそうとする里乃にひと言“ありがとう”と言って苦笑いをする。


確かに済んでしまったことはもうどうしようもない。

他の問題が全問正解してくれていることを願うばかりだった。